第二章 悪夢あなたのせいわたしはまだ たくさんいきられたのに・・・ 第二章 悪夢 ざーざー、ざーざー、と、雨が降っていた。 その中に。 伊里亜と、梓。 「あたしは、すくわれないの」 伊里亜はにこぉ、と笑った。 「しんゆうだとおもっていた、あなたにころされたから・・・」 梓は、ぞぉっとした。 伊里亜は、伊里亜は。 片手に、鈍く光るナイフを握っていた。 「だからあなたにしかえしをしにきたの」 「えっ・・??」 梓は、口をつぐんだ。 伊里亜は、もう、にぶいなぁ、と笑う。 あのころと、同じ笑顔で。 「しんで」 梓が身を交わすと、ゆっくりと近づいてくる伊里亜。 首をかしげて、おかしいな、とまた笑う。 「なんであなただけ、いきているの? わたしはしんだのに。なんで?なんでよ。 あなたのせいなのに」 あ な た の せ い な の に 何より、その言葉が、梓を傷つけた。 梓は、俯いた。悲しそうに。 「やっと、あきらめた」 伊里亜は嬉しそうにそういうと、 にこっと、わらった。 伊里亜は、座り込んでしまった梓の隣に、寄り添うようにして座る。 伊里亜が、梓の耳元で、囁いた。 「いっしょに。いこうよ。しんゆうだもん」 梓は、一瞬、虚空に落ちていくような感覚にとらわれたが、すぐに 目の前が、血の色に染まり―――――――― ―nextー ジャンル別一覧
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